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鍼灸編 3 寒熱と体感の視差

人間の体質を大別する目安に「冷え性」と「暑がり」の二種類があります
まあ読んで字のとおりの感覚なんですが体内で起こっている事はまるで逆なのです
病気を治す為にそれなりの健康観というものを持っておいたほうがよいと思うので今回はそれを説明しようと思います

①②の人型の絵は体温の偏移を表しています
黒が寒いところ白が暖かいところと見てください
①の人型は冷え性の人の温度配置です
外側つまり皮膚表面に近いところが冷えています
感覚があるのは皮膚ですから当然寒さを感じていることになります
こういうカラダの人は不調を感じやすいので常に具合が悪いと訴えています
ですが病気が小さいうちに気がつくので大事に至らず結果長生きな場合が多いです

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②の人型は暑がりの人の温度配置です
外側は暖かいのですが核心が冷えています
このタイプのカラダの人は体の不調というものを感じにくく元気です
ですが健康故に健康観というものを持てないないので不摂生をしやすく結果早死にです

①のタイプの人はとにかく食事も含めてカラダを冷やさない事、運動して汗をかくという事を習慣ずける事が重要になります
②の人は「カラダを大事に!」と周りの人に言われてるはずなのでそれを素直に聞けばよくなります
つまり頑固な人多いです

さて、今回のブログの重要な点は人型ではなく人型に向かう矢印です
それは外部から侵襲してくる「冷え」を意味してます
①は跳ね返していますが②はそれができていません
冷え性の人は外部からの冷えを防ぐ機構があり暑がりの人にはそれがないということです
これが結果病気になるかならないかを決めているのです
冷え性の人は皮膚表面の毛穴を閉じたり、極端な場合浮腫みで外気の侵襲を防ぎます
結果体内の核心温度をキープできるのです
暑がりの人は冷えが入ることを最初から許してしまっているのでどんどん核心温度がさがっていってしまいます
核心温度が病的なレベルまで下がった時には既に治らないレベルの病気になっているということです

ですが②の状態に①の体質の人でも日常的に変化している時間や季節があります

それは発汗時です
お風呂をあがってカラダが暖かいはずの時にちょっと風にあたっただけで風邪をひいてしまう理由、眠っている子どもは触れるとかなり熱いのに布団をはいだだけで風邪をひいてしまう理由
それは②の状態「暖める事は嫌うが冷やしてもらうのはok」になっているからなのです
結果核心温度が冷えて病的(風邪)になるということです

夏場の暑いとき、汗をだらだらかいている時もこの状態です
体温は「外気温度+体温=36.5」に設定されるはずなので外気温度が高ければ高いほど本当の体温は低く設定されます、体温は内臓の働きで生み出されるものなので結果内臓は働かなくなります
夏場食欲がなくなる理由がこれです
この状態の時は冷やされる事を許すので、汗をかいた状態でクーラーの部屋に入るとなお核心温度が冷えます
そしてどんどん病気に近づいていきます

近年温暖化が騒がれていますが、ただ暑いだけで人は病気に近づくのです
最後の一厘がどのように人体に降りかかるかはわかりませんが、見た目上の暑さは人類に多大な影響を与えてくると考えています

by hariponpon | 2009-10-12 16:50  

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