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鍼灸編 2 病位と発散

東洋医学的見地からするとカラダとは6階建ての地下ビルに例える事ができます
さらに大きく分けると陰と陽の2階建て地下ビルになります
陰は深いところ、陽は浅いところとご理解ください
そして陽にたくさんある「陽気」は発散を意味し、何を発散するというと、「邪」を発散するとなります
つまり「浅い=陽位」は病気の出所、表れ所ということです
基本的にお腹側が陰で背中側が陽になります

「邪」とは、とにかくカラダに入った何かしら都合が悪いものです
が、問診やカラダを診せてもらう事でみえるのは「邪」ではなく「邪」をカラダがどう処理しているか、していたかの結果であることを最初に書いておきます

例えば胃のツボに反応があらわれている場合、「何を食べたりして、またはなぜ調子が悪いのか」は最終判断までわかりませんが、「とにかくこのカラダは胃で何かしらのストレスを処理しているか、または処理に失敗してこの状態になっている」ところまではわかるということです

胃に問題があったとしてもカラダがどう処理するかというと写真①のように肩こり、胃の裏、腰痛の形で邪を発散する事があるわけです
これが肩が痛い,腰が痛いと医療機関に訴え治療してもらっても治らない理由です
問題はお腹側の胃にあり、邪の出口である背中に表れてるだけだからです
ですからこの状態の場合、お腹側の胃を治療しなければ背部の肩こりや胃の痛みや腰痛は治りません
あくまでも患者さんの訴えはカラダの免疫が働いた結果であってこちらが行う処置の目標でないことをご理解ください

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②は原因が発散されないで、陰の位置でしばらく膨れたのち背中側にあふれてきてしまった状態を意味しています

基本的に陰の位置にあるお腹側の問題が背中側にでるのは免疫が正常に働いた状態です
邪が深い位置に入っても陽の位置に浮かせれば苦しいけれども治るということです
逆に感じなければどんどん病気が進行することになります
②の絵はガンなどなかなか治らない病気の進行の仕方です
背中に浮いてきた邪を発散させても病気はカラダの奥に山ほど埋蔵されている状態です、当然治療効果はあがらない結果となります
これはあたしが患者さんによく質問することですが、10センチの切り傷と1ミリの癌を比べてどちらが痛いか?
ではどちらが恐ろしい事か?

感じることと本当のことにはかなりの差があるのです、まあ程度問題ですが

by hariponpon | 2009-10-12 16:16  

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