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鍼灸編 5 痛み

身体感覚のおける「痛み」の意味のほとんどは「警告」です
「もうこれ以上行動してくれるな、先々本当に壊れるから」という意味です

初期の腰痛患者さんがいたとしましょう
腰の筋肉に異常があると診断され病院で痛み止めとシップもらってきます
痛み止めの効果がある間は動けるけれど切れると痛くて動けないという状況になるとします
上記のような「痛み止めが効いている間は行動可能」という状況はよくある事例です
が、この状態、よくみると極めて異常ということがみてとれますでしょうか?

腰痛の原因が「筋肉の異常」ならば、痛み止めが効いていようがいまいが動けないのが理屈ではないでしょうか?
加重を受け止められない筋肉だからこその痛みの発現のはずです
痛み止めで筋肉は治らないはずなのになぜ動けるのか
これが痛みが「警告」である証明となります

しかし実際の現場では何かしらの故障があった際に痛み止めを飲んでそのまま治癒してしまう例は山ほどあります
その状況では何が起こっているのでしょう?
ある意味、治療効果がない薬を飲んだのに治癒してしまう矛盾はなぜ普通に起こるのでしょうか?

答えは治癒力の分割にあります

体はそのどこかに異常が起こった際に当然治癒するように働きます
基本的に行動されて体力を使われても治せる程度の異常ならば意識に痛みはあがってきません
行動されて体力を使われてしまうと治癒力が間に合わないと判断された時点で痛みが発現します
つまり「警告」です
ところが体が警告の為に出した「痛み」を「消す」作業も同時に行われているのです
つまり一度痛みが異常が起こってしまうと「治癒力」が「痛みの原因となる異常を治す為」と「痛みを消す為」に二分されてしまうのです
二分された治癒力で異常を治しきれればそれでよしなのですが、そうでない場合は痛みはありつづけます

そこで、痛み止めを飲み痛みを消せば治癒力が異常にだけ向かうことができるのです

痛み止めの効果が切れた時間に痛みが消えていれば、治療としてはそれでよしということです
もっとも効果が切れたら痛みが戻ってきたり、飲んでも効果がなかったり、毎日飲むのは間違えかもしれません
それは治癒力が足りないということなので、どうやったら治癒力がきちんと働くのか考えなくてはなりません

by hariponpon | 2009-10-12 17:01  

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